アメリカでのスポーツ観戦の面白さはマリナースで教わった。
その年の6月からシアトルに住み始めて英語英語の毎日であまり出てあることも無く、学校の宿題とよくわからない英語でのテレビやラジオに囲まれて悶々と日々を送っていた。そんなある日、学校の日本人が声をかけてきて野球を見に行こうと誘われた。「あまり日本人どうして付き合って何になる・・・・」と考えてたところがあったが野球観戦というのはその時には、自分から進んで行くようなことも無いと思ったので英語学校の顔見知り2人と学校が終わってからのナイターへ行くことにした。
ユニヴァーシティーディストリクトからメトロ(2両編成のディーゼルと電気駆動のバス・・・地下鉄じゃない)に乗ってシアトルダウンタウンの南のはずれにあるコンクリートのむき出しと言う感じのあまりパッとしない野球場へ向かった。確かダウンタウンのどこかでバスを乗り換えてキングドームの近くまで行き、そこからテクテク歩いてキングドームへ向かった。ところでメトロというバスシステムだがこれがなかなか便利なバスだった。ある程度のところまではこのメトロを使って便利に行くことが出来る。乗車料金は確か1ドル位だったと思うが、目的地へ行くのに違う系統のルートへ乗り換えてが必要な場合は、最初に乗ったときにトランスファーチケットを運転手さんからもらっておく。そうするとどこかで乗り換えたときにトランスファーチケットでお金を払わずに乗換えが出来た。ただ距離がある程度あるようで乗り換えて長距離になる場合は追加で支払うこともあるらしい。チケットにエリアが指定されていてその指定エリア内での乗り降りが可能だと言うことだったのだろう。
メトロと言うバス自体非常にユニークだった。電気で走るにはもちろん日本で言うチンチン電車のようなシステムが必要なわけだが、その通りバスからバックトゥーザフューチャーにデロリアンに電線に引っ掛ける為の長いカギ状の先端が付いた棒がバスの屋根についてる。路線には電線が張り巡らされておりそこを流れる電気をカギ状の棒で電気を取って駆動している。面白いのはカーブとかで時々そのカギ状の部分が外れたりして運転手さんがそれをバスから降りて戻したりするのには流石に驚かされた。それとバスの中は広告も無く殺風景で初めて乗った時にはどうやって降りるのかもわからない程だった。ボタンも無ければ何もない状態でどうやって降りるのか???自分が次の停留所で降りたい場合、フレームの上のほうにぶら下がっているビニールで覆われたワイヤーを引っ張って運転手に降車を知らせるシステムだった。そんなシンプルさにとても驚いた事を覚えてる。
さて、バスを降りて「パイオニアスクエア」というシアトル発祥の地であるレンガ造りの洒落た街並みを通り過ぎ、キングドームまでようやくたどり着いた日本人留学生3名はドーム外にあるチケットブース前に立っていた。料金表を見上げみんな一致したのが「3階外野席 $3.50」だった。これは安い!!こんなに安くていいのだろうか!?と思うぐらい安くてみんな大はしゃぎだった。ただその場所へ行ってみてその安さを十分納得した。選手達は遥か彼方に見え、ものすごく高い。まるで超高層ビルから野球を見ているような気分だった。ただ、アメリカの生活をよく知っている人はご存知だと思うが、あの「タララ、ラッタラ~」というオルガン演奏の後の観客の盛り上がり方、なんとなくみんな子供っぽくていい感じだった。後で知ったのだが、あのその場その場で色々な音楽を入れるのはあの球場にオルガン演奏者がいてタイミングを見て演奏してるそうだ。球場内にはDomino Pizzaがあり、スライスピザとビールを買って野球観戦をする。残念ながらその当時のマリナースは弱小球団だったから外野席なんて誰もいないので売り子さんも売りに来ないが内野席だとビール、ホットドック、チップスなどを売りに来て野球の試合が進むに連れてビールを飲み試合以上に自分自身も盛り上がるあの野球観戦の虜になってしまった。それ以来、時々野球を観に行くことが増えた。プロ野球でなくプロバスケットボール(NBA)のシアトル・スーパーソニックスを観に行ったがあれはあれでまた観戦者の雰囲気が違う感じで、私にはのんびりしたキングドーム3階外野席での観戦が性に合っているようだった。
先日、久しぶりにシアトルでの思い出を書こうと思い立ち、シアトルのWebサイトを見ていたら2000年にキングドームが壊された事を知った。原因としては1994年に屋根の一部の崩落事故が起こり、改修作業中にクレーン事故で2名無くなったことが原因だそうだ。あのコンクリートの塊は爆破解体されたそうで、その後はシアトルシーホークスのホームグラウンドとして「クエストフィールド」が建ってられたそうだ。残念ながらまたシアトルに行った時にはあのキングドームはもうないというのはまるで思い出を一つ失ったような切ない気持ちになるのは私だけだろうか。
Saturday, September 15, 2007
キングドーム
投稿者
Ichiro Shirata / 白田一郎
場所
4:05 PM
ラベル: シアトル、キングドーム、野球、留学
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