「愛は遊び、と男は思った。愛は結婚、と女は信じた。」
もうこのフレーズがTVコマーシャルで流れていたのは25年前の私が多感(?)な青春を謳歌しているときだった。映画は好きだったがあまり見に行くことも無かったが、繰り返し放送されるこのキャッチコピーは気になっていた。そう、若き日のリチャード・ギアとデボラ・ウィンガー主演の「愛と青春の旅立ち」という映画のフレーズだ。結果的には映画館で見ることも無く、後にレンタルビデオで観たが内容的に感じるものがあったが、その映画の風景が青春映画というイメージとしては何となくうら寂しい映画だという印象だった。
それから5年後・・・・。
ある日、ワシントン大学のESL英語学校の本部となっていたLewis Hallの掲示板の壁にField Trip(いわゆる遠足)のサインアップシートが貼り出された。「ボーイング見学」「スノコルミー滝」「ポートタウンゼント」など3,4コースが設定されていた。どこへ行くか迷ったが、昔ながらの港町の街並みを見学しにシアトルの港からフェリーで行くということを聞いて「ポートタウンゼント」への遠足に参加することにした。
遠足の日は生憎というか、いつもどおりのどんよりした曇り空の寒い日だった。シアトルのフェリー乗場はダウンタウンのピュージェットサウンド(内海)側にあり、「ポートタウンゼント」はその内海の反対岸の内海の出口付近にある港町。フェリーは車を運ぶことの出来るカーフェリーで生活の足となる路線のようでデッキは車で一杯だった。フェリー乗場の近くにあった「Fish&Chips」という看板のお店で四角い紙のお皿に白身魚のフライとフライドポテトがどっさり乗ってタルタルソースがかかったファーストフードを食べながらフェリーに乗り込み目的地へと出発した。フェリーが出発すると曇り空の寒さの中をシアトルのダウンタウンの高層ビル街が次第に遠くになっていく光景は誰もがセンチメンタルになるらしく、遠足と言う割にはみんな静かに見つめていたのを覚えている。
フェリーが「ポートタウンゼント」の港に到着するとそこは1世紀タイムスリップしたようなうらびれたレンガ造りの街並みが広がっていた。その街並みをESLの教師と一緒に説明を受けながら歩き回っている時に1階が大きなガラス窓で薄暗い中にビリヤード台が見える赤レンガ造りのビルの前で立ち止まった。教師はこのビルは「An Offider and A Gentleman」という映画の撮影で使われた場所です、と説明したが全く何の映画かわからないでいた。他の学生から誰が主演だ?とか質問を聞いているうちにリチャードギア主演の映画だ聞いて、それが「愛と青春の旅立ち」のオリジナルタイトルだということがわかった。そうなるとどこの場面で???確かに士官学校に通うリチャード・ギアがデートの最中に地元の連中と喧嘩をする場面があったがまさしくその場所だった。それが私にとって初めての映画で観た場所と実際のロケーション現場がオーバーラップした不思議な経験だった。その後、士官学校の校舎で利用していた場所は確か公園として利用していたし、海沿いのモーテルはそのままモーテルとして営業していた。その港町全体が古き良き時代の趣を残しながらひっそりとたたずむ姿はとても印象的な町であった。多分、その町でランチも食べたと思うが、どうしても思い出せない。「ポートタウンゼント」の思い出は「愛と青春の旅立ち」そのものでしかなく、今でも忘れられない町のひとつである。
インターネットで調べてみたがその港町は今では観光に力を注ぎアートギャラリーなどを中心としたお洒落な町に変貌を遂げていると言う。いつになるかわからないが是非もう一度訪れたいと心から思う。
Saturday, September 22, 2007
ポートタウンゼント
投稿者
Ichiro Shirata / 白田一郎
場所
4:50 PM
ラベル: シアトル 映画 フェリー 雨
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